世界一流のモノづくり論

世界一流のモノづくり論

先日、Weber dental labor の皆と一緒に、モリタ歯科技工フォーラム に参加しました。

歯科技工業界の最先端が学べる場として、毎年楽しみに参加させていただいています。

今年はゲストとして、日産の元チーフエンジニア、GT-R開発者である、水野和敏さんのお話を聞かせていただき、さすがだなぁと共感しました。

車のエンジニア業界は、歯科の技工業界同様に、デジタル化の波がずっと前から押し寄せています。

「デジタル化があるからこそ、人へのおもてなしが想像できる」

ロボットと職人をコラボさせることによって、より素晴らしいものを創り出すことができるとおっしゃっていました。

例えば、車の例でいうと、いまロボットですべて塗装が行われているために、これまでの塗装職人の仕事が奪われてしまったそうです。

しかし、日産は、ロボットで塗装した車を、職人の手で丁寧に磨き上げ、その上からさらに塗装を行うことで、フェラーリやベンツを超えるような輝きをだすことができたとおっしゃっていました。

これからは、ITと人のおもてなしと組み合わせることが、もの作りの原点となります。

ロボット化が進み、大量生産を行うことで価格競争、値引き合戦となるのではなく、もてる技術ができたのだから、よりクオリティーを上げてほしい。

値引きではなく、ブランドの世界ができるのです。

歯科でいうと、3Dプリンターがあれば、日本でもインドでもベトナムでも、皆同じにできる時代となりました。

ですが、その人固有の部分は再現することができません。

一流の人は、昔からオーダーメイドやテーラーメイドを選ぶように、好みに合わせて創ってくれる、感性で訴えられる技工物を求められる方はいらっしゃるのではないでしょうか?

と、水野さんはとてもわかりやすく私たちにお話をしてくださいました。

水野さんの講演は、会場の中を歩き回り、たまに質問をしたり、意見を聞かれたりするので、リスナーの方々もいつ指されるかわからないので、背筋をピンとして聞いていました^ ^

最後に、皆さんには、技工士としてもっと、いろいろな挑戦をしてほしい。

とおっしゃっていたのが印象的でした。

水野さんのお考えは、私たち歯科業界にも当てはまると思います。

ある演者の技工士の先生が、CAD/CAMは、デジタルの鋳造器として捉えているので、それを使いこなすためには、知識と技術が変わらずに必要だとおっしゃっていました。

稲葉歯科医院や、Weber denta labor で提供させていただいている入れ歯も、水野さんの車のように、人へのおもてなしが想像できるようなものにしていきたいと思います!