人生の幸福度曲線
- 2017.05.07
- インプラント
ITI World Symposium3日目…
最終日となりました。
ジュネーブ大学老人歯科学教授のFrauke Mueller先生のお話しを聞かせて頂くのを楽しみにしていました。
テーマは”Treating elderly implant patients”
「高齢者へのインプラント治療」
現在、毎年1.800 万本のインプラントが埋入されています。
しかし、大変注意深く考えないといけません。
人口の14パーセントに達するとその国は高齢化が始まったと言われ、20パーセントに達すると高齢化の化が取れ、高齢社会になります。
25パーセントに達するとその国は超高齢社会と言われますが現在の日本は、超高齢社会に突入しました。
2015年 高齢者の割合が30%を超えている国が濃い赤となっていますが、日本はすでに赤く染まっています。
2050年 世界人口の18%が65歳以上となると予測しています。
世界的に、インプラント治療は固定性補綴に向かっていますが、20年後30年後のインプラントの状態はどうなっているのか予測する必要があります。
加齢によって、様々な生理学な変化が起こり次第に、歯科の先生は患者様にとってより近いパートナーとなる必要があるでしょう。
ちょっと画像がはっきりしないのですが、私がとても驚いたのは、こちらのグラフ。
スイス人の年齢に伴う幸福度。
50歳が一番下の方なのですが、その後年齢を重ねると共に上昇し、80歳の幸福度は18歳の時代を超えています。
日本の幸福度曲線はどうなのかな。
と思いましたが、年を重ねる事で幸福になるって素晴らしいと思いませんか?
私達歯科関係者は、高齢者の幸福の一部を担っていると感じます。
高齢者はインプラント治療ができるか。
ということですが、答えはイエス。健康な方や、全身疾患がコントロールできている方はインプラント治療が可能です。
しかし、高齢者は新しい状況に適応することが難しく、認識しているけれど理解しているとは限らない場合も多くあります。
老人ホームではインプラントのメンテナンスができないかもしれません。
また、長時間の治療にも絶える事ができないかもしれまえん。
誤嚥性肺炎、局所麻酔の使用量の限界。カンジダや口腔乾燥症に関しては筋肉のトレーニングも必要となります。
高齢者においては、義歯をできるだけかえずに、修理をして使える様なものをおすすめします。
取り外しができる義歯とインプラント。
最終的には、ボールアタッチメントにすると、高齢者が取り外しが容易です。
こうした、固定性のワンピースのインプラントではマネージメントが難しいです。
万が一、固定性で清掃性が悪いインプラントが入っている場合は、患者さんとの連絡を取り続けることが大切。
インプラントの具合がどうか、常に連絡をとる必要があるでしょう。とおっしゃっていました。
独立性、手の器用さも失って行く可能性があります。
確かに。
リーゲルテレスコープも同様に、患者様が取外すことが難しくなる可能性があるので、やはりメンテナンスにしばらく訪れていない患者様に対してはこちらから連絡をするなどのアプローチが必要だなと思いました。
この辺りの話題は、私にも理解することができるので、大変勉強となりました。
歯科医学は保存、補綴、矯正、口腔外科等に細分化され、人間を細分化して考えてしまいがちですが、高齢者の場合には一人の人間として総合的に見なければいけないと感じました。
最後に。
ITI World Symposium を一緒に過ごした、笠貫先生、奥山先生と美味しいスイス料理とワインを頂きながら、今回の収穫について話し合いました。
大満足でした♪
沢山の著名なインプラントの先生方ともお知り合いになることができましたし、教えて頂く事もできました。
明日、奥山先生はフランスへ、笠貫先生は帰国。そして私は、チューリッヒに住んでいる友人宅を尋ねます。
また、日本に帰って集まろうね(^_<)-☆
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